野崎まど作品で打線組んだ

野崎まど先生の作品で打線を組んでみました。(野崎の崎は本当は大じゃなくて立の方の漢字だけどちゃんと表示されないので野崎に変えてます)

1番(投)[映]アムリタ
2番(二)なにかのご縁
3番(中)know
4番(捕)2
5番(三)死なない生徒殺人事件〜識別組子とさまよえる不死〜
6番(一)第五の地平
7番(左)独創短編シリーズ野崎まど劇場
8番(右)小説家の作り方
9番(遊)パーフェクトフレンド

リリーフ 舞面真面とお面の女
抑え  ファンタジスタドール イヴ

育成枠 バビロン

*解説*
1番 投手

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

デビュー作にして快作。野崎まどがどういう作家か説明するのにうってつけの一冊。キャラクター小説ではあるけど、後半で一転してサスペンス風ミステリになる。先頭打者にしてエースという破天荒なポジションも読めば納得できるだろう。

2番 二塁

デビューから一貫して怪作を出し続けていた野崎まどが出した普通のいい話。「普通じゃねーか!」という作家人生で1回だけ許されることをやった作品かと思っていたが普通にいい話で好評だったらしく2巻も出た。普通にいい話で普通に面白いので手堅い2番セカンドというポジションに選出。

3番 中堅

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

2までを初期の野崎まどとするなら中期の始めの作品になる。ハヤカワだからなんだろうが、そのへんから拾ってきたようなテンプレSF設定の舞台でエリート公務員が女子中学生を口説く話。さすがハヤカワはハヤカワでもハヤカワJAだぜ!と思っていると最後にとんでもないところまで読者を連れて行ってくれるウルトラ快作。実力があって読者層も広そうなので3番センターに選出。

4番 捕手

2 (メディアワークス文庫)

2 (メディアワークス文庫)

初期の野崎まどの最後の作品。タイトルはそれまでに出た5作品のすべての2巻という意味。単体で読んでも読めるらしいが、「アムリタ」「舞面真面」「死なない生徒」「小説家の作り方」「パーフェクトフレンド」まで読んでからこそ真の面白さがわかる。これ以前の作品の展開を裏切るという意味でもそうして欲しい。すべてを包み込む最強打者は4番捕手にふさわしいだろう。

5番 三塁

永遠の命がテーマの作品。タイトル通りに死なない生徒が首切り殺人されるけど、死なない生徒だから復活する。その方法もトリッキーだけどこの作品の肝はそこよりも犯人がなぜ死なない生徒の永遠の命に迫ろうとしたのかという点にあるホワイダニットな話。ホワイダニットが好きなので中心打者として5番サードに起用。

6番 一塁

この中に収録されている「第五の地平」が野崎まど作品である。打線の中で唯一の短編小説。モンゴル帝国を舞台に宇宙進出が繰り広げられるというカオスな話。笑いたければ読むといい。謎の助っ人外国人感があるので6番ファーストに選出。

7番 左翼

独創短編シリーズ 野崎まど劇場 (電撃文庫)

独創短編シリーズ 野崎まど劇場 (電撃文庫)

第五の地平のようなバカな話をつめこんだ短編集。筒井康隆の自選ドタバタ傑作集をライトノベルにした感じの作品集。だらだらしたい休みの日に読むのにちょうどいい。特に得るものはないが元気になれる。自由に打たせるのが一番いいだろうから7番レフトに選出。

8番 右翼

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

この世で一番面白い小説がテーマの作品。デビュー4作目で作風が安定してきた頃の作品。キャラクター小説から展開が変わっていく流れは読んでいて相変わらず面白いけど、扱うテーマのせいもありそんなに意外な結末ではなかった。よく言えば安心して読める水準にある。つまらなかったという記憶はないけどめちゃくちゃ面白かったという記憶もない。とりあえず8番ライトに起用。

9番 遊撃

パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)

パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)

友達とは何かがテーマの作品。その問題を考えるには小学生が最も相応しいのだから小学生が主人公であるのは必然であり、小学生はたくさん出てくるし理桜ちゃんはかわいいという話。いい話です。が、最後にとんでもない事件が起こり、その解決方法も荒唐無稽な力技だったりするけど妙に納得させられてしまうのがこの作品の素晴らしい点。なおこの作品を読むときはせめてアムリタを読んでからにしよう。他の作品にはないポテンシャル持っているのでショートは任せた。上位打線で使ってもいいが小学生なので9番にしておく。

リリーフ

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

デビュー2作目。大学院生がJDとJCを引き連れて温泉旅行をする話。あと遺言の謎を解く話。これも一定の水準を越えていて安心して読める。小説家の作り方と比べるとライトノベルよりな話。無難な感じなのでリリーフに起用。

抑え

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)

萌えアニメの前日譚を野崎まどがハヤカワから出すという謎の作品。まあ100%純粋な萌えアニメではないからわからないでもないけど本編とは関係なさそうでやっぱりわからない。人間失格のパロとか言ってる人もいるけどミソジニー小説にしか感じられなかった。そうだろうとは思ってたけどやっぱ読まなくてよかったわという作品。抑えが炎上した方が楽しい試合になるのでこのポジションに起用。

育成枠

バビロン1 ―女― (講談社タイガ)

バビロン1 ―女― (講談社タイガ)

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

シリーズもので1巻しか出てないので評価の対象外としました。本当に続き出るのか?と疑ってましたが本当に出るらしい。1巻読んだ感想でいえば、いままでの作品でいうところのわけのわからんすごいことが起きただけで真相が明かされてないので何とも言えない。主人公はエリート公務員だけど女子中学生は口説いていない。

どれでも興味があったら読んでみてください。
一応おすすめの読み方を書いておくと、
<いつ読んでもいい>
[映]アムリタ
舞面真面とお面の女
死なない生徒殺人事件〜識別組子とさまよえる不死〜
小説家の作り方
独創短編シリーズ野崎まど劇場
なにかのご縁
know
ファンタジスタドール イヴ
第五の地平
バビロン
<後から読んだ方がいい>
パーフェクトフレンド([映]アムリタを読んでからの方がいい)
2([映]アムリタ、舞面真面とお面の女、死なない生徒殺人事件〜識別組子とさまよえる不死〜、小説家の作り方、パーフェクトフレンドを読んでからの方がいい)
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