こんなもんかいメディアワークス

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

 噂(?)のメディアワークス文庫電撃小説大賞メディアワークス賞の映えある初代受賞作です。
 前半は可もなく不可もなくこんなもんかい、という感じ。中盤から後半にかけてはヒロインの最原さんがかわいい。ラストは綺麗に落としてくれて清々しい。ということで良作です。以下、ネタバレありのどうでもいいことです。
 まず、前半の凡庸さについて。まあ最初から「こりゃすげえ!」なんてのを読みたいわけじゃないんで別にいいです。説明しつつ鬱陶しくない文章なのが良い。次にラストについて。最原が見たかった二見の表情を見たとき、及び最原が織物のくだりで言ったセリフから察するに、彼女は平たく言えば「芸術」に傾倒しています。でも、定本との恋に浮かれ、それを取り戻そうとしたのも同じ彼女です。つまり、当初は恋が目的だったはずなのに、途中で最原の目的は美しい織物(要は二見のある表情であり芸術)をみることになっています。作中で二見と恋のような事もしますがそれはその時点ですでに目的に達するための手段に成り下がっています。そして今度はその続きのを見てみたいという。ここまで言って何を述べたいのかというと、じゃあ最原はヤンデレじゃなくて芸術(?)への狂人だということです。きっと意味わからん流れですね。ごめんなさい。あと、まだあるw 無駄について。無駄な要素というのはこの作品内にもあります。それが面白かったです。無駄は大事。次、ラストの一文について。悪くはない。でも全然良くない。少なくとも自分は「は?」ってなった。意味分かんないっす。
 そして最後。著者の先生へ言いたい。映画で何でもできるって設定は別にアリだと思います。あと、電撃で書いてください。
 そして呟き。表紙だけでもイラストあった方がいいや。イラストすごいよイラスト。長い。